2024年1月、トルコとギリシャに行ってきたので記録。
トルコは中世のオスマン帝国、ギリシャは神話の発祥地である古代ギリシャ文明として、世界史では馴染みの深い地域である。大学受験で世界史を選択した人間としてはたいへん興味深く、そしてギリシャの世界遺産メテオラにも行ってみたい気持ちがあったので、この2つを回ることにした。
ANAで貯まっている60,000マイル+空港使用料等で以下往復を予約。
往路:羽田→シンガポール→イスタンブール(シンガポール航空)
復路:アテネ→フランクフルト(ルフトハンザ航空)→羽田(ANA)
マイルの特典航空券って人気の高い直行便は選べないし、乗り継ぎの分で空港使用料増えるし、半年くらい先じゃないと予約できないし、いつのまにか有効期限が迫ってきたりするので、なかなか不便だ。(今さら)
イスタンブール→アテネ間の移動は別途ギリシャの「エーゲ航空」の便をTrip.comで予約し、宿はbooking.comで観光地からのアクセスが良くて口コミが良いホテルを適当に予約した。
ちょうど一週間の旅程になった。去年の夏頃から宣言していたし、この期間に仕事の予定が入らないよう調整していた甲斐もあって、無事に長期休暇をとることができた。
1日目:夕方出国
2日目:朝にイスタンブール到着、市内観光
3日目:午後にアテネへ移動
4日目:アテネ市内観光
5日目:メテオラを日帰り観光
6日目:午後にアテネを出発
7日目:夕方帰国
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羽田空港T3で円→ユーロに両替して出国。今回の旅行会社で最高のエアラインだと感じたのがこのシンガポール航空だった。トイレには使い捨て歯ブラシが置かれ、機内エンタメでは是枝裕和の『怪物』が視聴できた(邦画なのにANAにはまだ無い)そして機内食の豚丼がマジで旨かった。
SGは格付けランキングでANAを上回っているだけのことはあって別格。※格付け会社の航空会社ランキング2023、総合1位はシンガポール航空、ANAは3位、JALは5位にランクアップ|トラベルボイス(観光産業ニュース)
※乗り継ぎのシンガポール・チャンギ空港では東南アジア特有の「飛行機を降りた瞬間ムワッと感じる熱気」があり、東南アジアはやっぱり良いなァ・・・と改めて感じた。
翌朝イスタンブール到着。飛行機が着陸したとき、まだ朝8時頃だったが外は真っ暗で、トルコの夜明けは日本と比べてかなり遅いようだった。
入国後に空港で円→リラに両替し、空港と市内を結ぶバス「Havaist(ハワイスト)」に乗車。約1時間くらいで市内(地下鉄アクサライ駅近くの広場)に到着した。乗車中、やたらデカい国旗がはためいているのが印象的だった。そしていかにもイスラム教の国という感じでモスクもちらほら見えた。尖った塔が何本も空に突き出していてかっこいい。
地下鉄駅の改札前でイスタンブールカード(Suicaみたいなやつ)を購入&チャージし、トラムで旧市街の中心地「スルタンアフメット地区」へGO。
※イスタンブールカードの自販機の案内言語は日本語に切り替えることができた。滞在中、トルコが親日国らしいことをほぼ唯一実感できた瞬間である
イスタンブールを代表する観光地アヤソフィアとブルーモスクは広場を挟んで向かい合っていて、宿泊した「アゴラゲストハウス」もこの近くにあった。
このあたりが外国人観光客が多く集まる地域になっているのだが、この広場を通るたびにトルコ人のおじさんが「コニチワ~」「ニッポン↑ジン↓デスカ?」と話しかけてくる。
これはトルコで多発している日本人をターゲットにした詐欺で、応じてしまうと「美味しいトルコ料理の店に連れてってやる、日本語を教えてくれ」とか言われてぼったくりバー的なお店に連れていかれたりするらしい。とんだ親日国である
「イスタンブールは猫の都」とか言われている噂の通り、猫どもはそこら中に無限にいた。日本のと違って人から逃げようとせず、猫撫で声(本来の意味)を出しながら近づいてくる。レストランの店先で堂々と残飯をむさぼっているのもいて、さすがに甘やかしすぎな気もした。
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まずは荷物を宿に置き、イスタンブールをヨーロッパ側とアジア側に分けている(世界史でおなじみ)ボスポラス海峡に向かう。
ボスポラス海峡のフェリーはイスタンブールカードで乗れる。たぶん20~30リラ前後だった気がする(現在1リラ=ほぼ5円なので、100円ちょいくらい)。ヨーロッパ側の「エミノミュ」からアジア側の「ユスキュダル」まで片道30分弱くらい。格安で船の旅を楽しむことができた。
港では屋台でパンやサンドイッチがたくさん売っていたので昼食として食べながら船に乗る。普通に美味しいけど硬い。船が出発してから到着するまでずっとカモメの大群が船に並走して飛んできて、パンを投げるとキャッチする。これが超楽しくて、ずっとカモメで遊んでいた。
トルコには「サバサンド」という文字通りサバを使ったサンドイッチ的なB級グルメがある。港にサバサンドのお店もあったが、店の近くまで行くと強烈に生臭い匂いがしたので断念した。
ちなみに使われているサバはトルコの特産品というわけではなく輸入らしい
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午後はスルタンアフメット地区に戻ってモスクを観光した。
アヤソフィアはトルコを代表する観光地で、
・1453年にオスマン帝国が東ローマを滅ぼした後、イスラム教のモスクに転用する(モスクっぽさを強めるため4本の尖塔を増築)
・第一次世界大戦後にトルコ共和国建国、初代大統領アタテュルクによってモスクから博物館に転換(世俗化)
・2020年~国内のムスリムの支持を得たいエルドアン現大統領が博物館からモスクに戻す
という変遷をたどっている(Wikipediaの要約)。
2020年以降はモスクになったので一日に数回礼拝が行われるが、博物館ではなくなったために入場料が無料となった。
…と思いきや、なんと2024年になって急に外国人観光客からは25ユーロ(約4,000円)も入場料が巻き上げられることになった。タイミング的にあと一週間待ってくれたら無料で観光できたのに…だがまぁトルコは去年大地震があったので、復興のために使ってほしいと思う。
イスタンブールには猫だけでなく、犬もたくさんいる。耳にタグがついていて予防接種的な管理はしっかりされているっぽいので、それなりにフレンドリーな雰囲気。インドの犬のような不潔さは無かった。(それでも近づいてみると、顔が日本の犬の3倍くらいの大きさがあってビビる)
・ブルーモスク
ブルーモスクは入場料無料。壁に描かれた精緻な紋様が美しく、圧倒された。各国言語のクルアーンを配っていたので、日本語版を貰って少し読んだ。
・地下宮殿
トルコ版の首都圏外郭放水路。
全体がすべて地下にあるので地上の入り口がどこにあるのかわからず、出口を先に見つけたのでそこにいた警備員っぽいトルコ人に入り口の場所を訊いたら、運の悪いことにこの男も、件の「怪しい日本語で詐欺をかましてくるトルコ人」だった。
なので見終わった後に出口で待ち構えていたそいつに捕まってしまった。最初にこちらから話しかけてしまった手前断りづらく、お皿を打ってる店に連れていかれそうになったが、その場から走って逃げた。疲れた。
・夕飯
ケバブ。味はまあまあ。食事中に椅子の下からヌッと猫が出てきて隣に座ってきた。普通に屋外から出入りしている猫っぽいけど、衛生管理とか誰も気にしてなさそう。ケバブには手を出そうとせず、じーっと見ていた。
食後のチャイ(紅茶)は結構美味しかった。このグラスのおかげで美味しく感じるのかもしれない。
・コンセント
この変換プラグは世界中で使えるやつなのに、穴の周りにある枠?が邪魔で挿せなくてキレた。
・ビール
トルコはイスラム教の国だがそこまで厳しくないので酒が飲める、ということでビールを購入して宿で飲んだ。
味は・・・薄くて正直微妙だった。酒を飲んでもOKとはいえ、メーカー側のビールづくりに関する知識や技術は他の国と比べると乏しいんだろうな…と感じる味だった。
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トルコ2日目。
この日はあいにくの雨模様だった。夕方にはギリシャ行きの飛行機に乗るので、午前中にオスマン帝国のスルタンが住んでいたというトプカプ宮殿を観光した。
トプカプ宮殿の入場料は1,500リラ(=7,500円)。いくらなんでも高すぎる。
日本語のオーディオガイドを貸してくれたので、聞きながら散策した。見どころはほとんど屋内だったので、雨をそれほど気にせずにすんだ。
建物の内部ではたくさんの宝物が展示されている。それらに加えてスルタンの妻たちが住んでいたというハレム(後宮)がとても広く、見ごたえがあった。
広すぎて結構疲れた。
充実した1.5日くらいの観光を終え、再びバスでイスタンブール空港に戻り、次の目的地・アテネに向けて出発した。
後編につづく